各種の事業所から出た産業廃棄物を収集して、中間処理工場や最終処分場まで運搬するには、「排出元」と「運搬先」の所在地の都道府県知事の許可が必要です。
たとえば、A県で収集→B県を通過→C県の処分場に運搬する、といった場合は、A県とC県の許可が必要となります。
(B県で積み降ろしを行う場合は、B県の許可も必要)
許可申請を行うには、以下のようなことを準備、留意しておく必要があります。
- ①指定講習会(日本産廃処理振興センター実施)の受講
- 各都道府県で年に2~3回程度、講習会が行われており、それを受講した修了証が必要です。受講者は、代表取締役(個人事業なら事業主)または産廃処理事業を行う事業場の代表者となっています。講習会の日程につきましては、当事務所または各都道府県の産業廃棄物協会にお問い合わせください。
- ②車両および駐車場について
- 車両は「収集運搬に適した車両」、駐車場は「産廃事業に使用する車両を駐車してもよい駐車場」でなければなりません。車両については、「運搬物の飛散防止」が求められますので、荷台がオープンなキャブオーバなら幌やシートで覆うなどの対処が必要です。駐車場については、自社の敷地内なら問題ありませんが、借地であれば、所有者の「使用承諾書」が必要となります。
- ③運搬先(見込みで可)の確保
- 申請書には、運搬先となる中間処理工場や最終処分場を記載しなければなりません。ただし、契約等までしておく必要はなく、「もし許可が下りたら受け入れてください」程度の話をしておけば十分です。都道府県によっては、運搬先の産廃業許可証の写しの提出を求められることがありますので、その点も話をされておくとよいでしょう。
- ④法人税・所得税の未納がないか
- 法人は法人税、個人事業なら申告所得税の納税証明書(直近3年分)の提出が必要で、未納がないものに限ります。
- ⑤(法人の場合)登記簿の事業目的に「産業廃棄物収集運搬業」が記載されているか
- 記載されていない場合は、定款の事業目的を追加して、法務局での変更登記が必要です。
許可申請には、かなりのボリュームの雑多な書類を作成しなければなりません。車両や駐車場の写真も必要です。
当事務所では、書類作成~申請手続代行はもちろんのこと、指定講習会の申込書の取り寄せ、事業目的の変更登記(提携の司法書士による)、また許可後に車両に表示しなければならない許可番号ステッカーの手配等もさせていただきます。